「法の支配」は安保関連法案を認めない―ボスザルの言うことには逆らえない
安倍首相はG7サミットの記者会見で述べました。「私たちには共通のことばがある。自由、民主主義、基本的人権、そして法の支配。基本的な価値を共有していることが、私たちが結束する基礎となっている。」
「法の支配」は政府の暴走を法により抑えること
安倍さんはここ数年「法の支配」という言葉をしばしば用います。そしてよくある指摘が安倍さんは「法の支配」という言葉を誤って理解していて、誤用しているというものです。
安倍さんの思っている「法の支配」は「国家権力が法を使って国民を支配すること」
のようです。
しかし欧米で育まれてきた「法の支配」の概念は「法は国家権力を超越した存在であり、国家権力は法に従わなければならない」
というもので、安倍さんの考えとは真逆のものだと言えるでしょう。
つまりG7サミットで「私たちには共通のことばがある」と言いましたが、「共通の言葉はあるけど、その意味は違っている」ということなのです。言葉の意味が違っているのに「結束する基礎」になることは可能なのでしょうか?
「法の支配」は安全保障関連法案を止めるもの
6月4日の衆院憲法審査会で憲法学者3人全員が法案を「憲法違反」と発言したことにより安全保障関連法案の成立はかなり困難な状況になってきています。これこそが「法の支配」と言えるでしょう。
しかしなんでこんな法案を国会に提出しようと思ったんでしょうね。確かに安倍さんは「法の支配」の意味もわかっていない残念な人ですが、自民党に内閣にももっと頭が良い人たちがたくさんいるはずです。谷垣幹事長や宮沢経産相、林農相などの頭のいい人たちは安倍さんが間違っていることをわかっていると思うんですよね。でもそのことを言ってあげることができない。ボスザルのいうことにはサルは逆らえないんですよね。
でも、あまりにもお粗末な法案なので最近少し思うことがあります。安倍さんはどんなに権力を握っていても安全保障関連法案のような誤った政策を進めようとすれば
「法の支配」により止められてしまういうことを身をもって私たちに示してくれているとても良い人なのかもしれない。
今日のおサルさんへの提言
- 法は政府が国民を支配するためのものではなく、政府の暴走を法により抑えること。
- ボスザルの言うことでも間違っていることはおかしいと言ってあげましょう。