東芝不正会計で刑務所に入れないで…サルに正しい会計なんてできるわけない
東芝の不正会計の内容が明確になり歴代の3社長が辞任しましたね。社長以下経営幹部からの指示の下で組織的に利益の水増しが行われ、その総額は1562億円だったことが明らかになってきています。このニュースを聞いてライブドアの社長だった堀江さんが逮捕された事件を思い出す方も多いでしょう。「確かあれも不正会計の事件だったはず、確か金額は・・・」と古いニュースを検索したところなんと53億円!!東芝の粉飾額の30分の1しかごまかしちゃいないですか!!東芝の役員も30人くらい逮捕して刑務所に入れたほうがいいんじゃないかって思っちゃいます。
でもこの東芝の事件って一般国民はあまり怒りを感じていないようなんですよね(国立競技場の問題のほうが許せないみたいです)。株価もライブドアのときほど下がっているわけじゃないし・・・。なぜ国民の怒りが高まらないかについて考えてみたいと思います。
損益計算は抜け道がいっぱい
少し会計に関わったことがある人なら(会社の経理ではなくても営業担当者やちょっとしたチームのリーダーくらいの人でも)損益の数値なんてちょっとしたことで上下することがわかるはずです。3月の出張費を会社に請求するのを忘れていて4月に清算したり、たな卸しの在庫の数を数え間違えたり、検収が翌月にズレたり、工事進行基準の案件で原価が多めに発生したり・・・。意図していなくてもちょっとしたことが損益に影響することを身を持って体験します。
損益の数値は繊細なものなので会社として正しい会計が行われるためには次の3つの条件が満たされなけっればなりません。
- 会計にかかわる人全員が正しい損益を算出する方法を理解する
- 会計にかかわる人全員が正しく損益を計算しようと考える
- 会計にかかわる人全員が正しく機械のように正確に行動する
どの一つが欠けても正しい損益計算は行われないのです。
この正しく損益計算を行うための3つの条件を見てこのブログに以前記載したキーワードを思い浮かべる人がいるかもしれません。そう「サルは数字をごまかす」です。
――過去の記事(イジメの件数をゴマかしたサルについて記載)
会社で会計に関わるのは経理の人だけではありません。営業の現場の人もいれば
各部門の損益に責任をもつ管理者もいます。各営業担当者または各部門には損益予算という目標が与えられています。それに関わるサルは損益の数値がどうすれば変わるかを知っています。目標を与えられたサルがその目標の数値を変える方法を知っているのです。サルが正しく行動するはずがないですよね?
数字をゴマかすのが得意なサルが出世する
会社という組織は予算で与えられた目標を達成したという実績を積み上げた人が出世するシステムになっています。本当に実力で良い成績を上げて出世する人もいますが、ゴマかして良い数字を作り出世する人もいます。業績なんかは自分の実力だけではなく周りの環境の影響や時の運もあるので正当なやり方をやっているだけの人は優秀な人でも良い成績をあげ続けるのは困難です。結局はどこかで数字をゴマかしながら良い成績を上げ続ける人が出世していくのです。
数字をゴマかす人が出世するとたいへんです。出世すればするほどその人に与えられる予算の額は大きくなっていきます。それに伴ってゴマかさなければならない金額も大きくなります。普通の神経を持っている人は出世に伴いゴマかさなければならない金額が大きくなった時点で怖くなってゴマかすのをやめてしまいます。ゴマかすのをやめてしまった人の出世はそこで終わりです。やめなかった人だけが良い成績を上げ続け、社長にまで上り詰めることができるのです。社長にまでなってしまってからも、とてつもない金額をゴマかしてしまったのが今回の事件だと言えるでしょう。
このようなゴマかしは日本中のありとあらゆるところで行われています。だからサルたちは今回の事件の犯人たちをそれほど憎むことができないのです。なぜならサルたちも多かれ少なかれ似たようなことをやっているのだから・・・
今日のおサルさんへの提言
- 正しい会計処理は非常に困難であることを理解しましょう。
- 自分もやっていて後ろめたいかもしれませんが、やっぱり悪いことをした人は刑務所にブチ込みましょう。
おサルさんへの処方箋
目標の数値を設定してもサルがゴマかしてしまうことについてどうしたら良いか対処方法が書かれています。