おサルさん みいつけた!

霊長目ヒト科ヒト属ヒトの行動を観察する日記です

新国立競技場の成否は「デザイン提案条件」しだい…サルは本来の目的を見失う

 安倍総理大臣の白紙撤回でひとまずは落ち着いた新国立競技場の問題ですが、これは問題が先送りになっただけで実は何も解決していないのが現実です。ザハさんのデザインをやめてじゃあどんなものを建てるのか?それについてはまったく見えてきていません。

「いちばん」をつくろう―ボスザルがそう言ったので

 そもそもどうしてこんなことになってしまったのでしょう?新国立競技場のデザインコンクールのページを見るとその原因の一端が垣間見えます。

http://www.jpnsport.go.jp/newstadium/Portals/0/NNSJ/NNSJ.html

 おサルさんはトップの決めたことには忠実に従います。世界で「いちばん」良い競技場を作るために最大限の努力をしました。その結果が2520億円になっただけです。でもそれは間違いでした。国民が納得する金額に収めるということを忘れていたからです。「いちばん」をつくろうとしただけなのに・・・。おサルさんが反省しているかどうかは甚だ疑問です。サルは目の前の「いちばん」という目標のために頑張りました。でも重要な本来の目的を見失っていたのです。それは国民のために競技場を作るということです。それを忘れては「いちばん」の競技場も何の意味もないのですから…

何を作るのかを明確にする―サルの暴走を未然に防ぐ

 おサルさんはすぐに本来の目的を忘れてしまうので何らかの手段で歯止めをかける必要があります。その役目をするのが次のコンペの募集要項です。

 ザハさんのデザインが選ばれたコンペの募集要項を見てみましょう。

http://www.jpnsport.go.jp/newstadium/tabid/430/Default.aspx

Ⅶ 審査委員会設置要綱・募集要項・質疑応答‐1[PDF:4.71MB]を見てください。「Ⅱ.デザイン提案条件」のところが最も重要なところです。陸上競技ラグビー、サッカー、コンサートができる等の条件が記載されています。このときのコンペは「基本構想」のコンペなのでかなりあいまいな記述になっています。しかし次に行われるコンペは残り期間3年と切羽詰った状況でのコンペなので「基本設計」もある程度含んだ形でのコンペになるものと思われます。「デザイン提案条件」をどれだけ詳細化することができるかがこのプロジェクトの成否を決めることになるでしょう。

どういう提案条件にすべきか―ムダなモノを建てないために

 ザハさんのデザインが選ばれてから数十億の税金がムダに費やされてきましたが、一つだけわかったことがあると思います。それはなんでもかんでも詰め込もうとするとコストが高くなってしまうということです。陸上競技をするためには競技場に陸上トラックが必要だがサッカー観戦では陸上トラックがあると臨場感が失われるので稼動席にしなければならない。コンサートをすると音が外部に漏れて騒音が問題になるので屋根が必要だが、サッカーをするためには芝の養生が必要なので太陽の光を当てるために前面に屋根があってはならない。→開閉式の屋根が必要になる。新国立競技場の問題に早くから警鐘を鳴らしていた建築エコノミストの森山高至さんも「あれもこれもと詰め込んで、コンセプトのない施設になった」と指摘しています。今までにつぎ込んだ費用をムダにしないためにも「なんでもかんでも詰め込む」のを止めてシンプルなものを建てるべきでしょう。

 でも残念なことに森山さんの提案も残念なものになっています。森山さんは旧国立競技場と同様なシンプルな陸上競技場を立て直すことを提案していますが、これは巨大陸上競技場自体が無駄な建物であることを無視しているものになってしまっています。陸上競技というスポーツは日本では今でもアマチュアスポーツという位置づけで観戦するよりも自分で競技に参加して楽しむことがメインです。数万規模の集客が見込まれるイベントは皆無で、数十年に一度日本で開催されるオリンピックや世界陸上がかろうじて数万人を集めることがあるくらいです。あるにもかかわらず、3万人を超える観客席を備える陸上競技場が日本国内には十を超えています。

 つまり新国立競技場の観客席は今回のオリンピックで使われた後は有効活用されることなくその生涯を終えることになるでしょう。では陸上トラックを覆う可動式の観客席を備えてサッカーの観戦に都合の良いスタジアムにすれば良いかというとそんなことはありません。そもそもこのオリンピックを終えると陸上競技場として使う必要はなくなるのです。最も有効な活用方法はオリンピックで陸上競技場として使用した後はサッカー専用のスタジアムとして改修することでしょう。ヨーロッパでは陸上競技場からサッカー専用球技場に改修する例も増えており、当初から改修を想定して設計することにより追加コストを極小化することが可能と思われます。

今日のおサルさんへの提言

  • 目先の目的に縛られて本来の目的を見失わないようにしましょう。

 


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東芝不正会計で刑務所に入れないで…サルに正しい会計なんてできるわけない

 東芝の不正会計の内容が明確になり歴代の3社長が辞任しましたね。社長以下経営幹部からの指示の下で組織的に利益の水増しが行われ、その総額は1562億円だったことが明らかになってきています。このニュースを聞いてライブドアの社長だった堀江さんが逮捕された事件を思い出す方も多いでしょう。「確かあれも不正会計の事件だったはず、確か金額は・・・」と古いニュースを検索したところなんと53億円!!東芝の粉飾額の30分の1しかごまかしちゃいないですか!!東芝の役員も30人くらい逮捕して刑務所に入れたほうがいいんじゃないかって思っちゃいます。

 でもこの東芝の事件って一般国民はあまり怒りを感じていないようなんですよね(国立競技場の問題のほうが許せないみたいです)。株価もライブドアのときほど下がっているわけじゃないし・・・。なぜ国民の怒りが高まらないかについて考えてみたいと思います。

損益計算は抜け道がいっぱい

 少し会計に関わったことがある人なら(会社の経理ではなくても営業担当者やちょっとしたチームのリーダーくらいの人でも)損益の数値なんてちょっとしたことで上下することがわかるはずです。3月の出張費を会社に請求するのを忘れていて4月に清算したり、たな卸しの在庫の数を数え間違えたり、検収が翌月にズレたり、工事進行基準の案件で原価が多めに発生したり・・・。意図していなくてもちょっとしたことが損益に影響することを身を持って体験します。
 損益の数値は繊細なものなので会社として正しい会計が行われるためには次の3つの条件が満たされなけっればなりません。

  • 会計にかかわる人全員が正しい損益を算出する方法を理解する
  • 会計にかかわる人全員が正しく損益を計算しようと考える
  • 会計にかかわる人全員が正しく機械のように正確に行動する

どの一つが欠けても正しい損益計算は行われないのです。

 この正しく損益計算を行うための3つの条件を見てこのブログに以前記載したキーワードを思い浮かべる人がいるかもしれません。そう「サルは数字をごまかす」です。

―過去の記事(イジメの件数をゴマかしたサルについて記載) 

 

 会社で会計に関わるのは経理の人だけではありません。営業の現場の人もいれば
部門の損益に責任をもつ管理者もいます。各営業担当者または各部門には損益予算という目標が与えられています。それに関わるサルは損益の数値がどうすれば変わるかを知っています。目標を与えられたサルがその目標の数値を変える方法を知っているのです。サルが正しく行動するはずがないですよね?

数字をゴマかすのが得意なサルが出世する

 会社という組織は予算で与えられた目標を達成したという実績を積み上げた人が出世するシステムになっています。本当に実力で良い成績を上げて出世する人もいますが、ゴマかして良い数字を作り出世する人もいます。業績なんかは自分の実力だけではなく周りの環境の影響や時の運もあるので正当なやり方をやっているだけの人は優秀な人でも良い成績をあげ続けるのは困難です。結局はどこかで数字をゴマかしながら良い成績を上げ続ける人が出世していくのです。

 数字をゴマかす人が出世するとたいへんです。出世すればするほどその人に与えられる予算の額は大きくなっていきます。それに伴ってゴマかさなければならない金額も大きくなります。普通の神経を持っている人は出世に伴いゴマかさなければならない金額が大きくなった時点で怖くなってゴマかすのをやめてしまいます。ゴマかすのをやめてしまった人の出世はそこで終わりです。やめなかった人だけが良い成績を上げ続け、社長にまで上り詰めることができるのです。社長にまでなってしまってからも、とてつもない金額をゴマかしてしまったのが今回の事件だと言えるでしょう。

 このようなゴマかしは日本中のありとあらゆるところで行われています。だからサルたちは今回の事件の犯人たちをそれほど憎むことができないのです。なぜならサルたちも多かれ少なかれ似たようなことをやっているのだから・・・

今日のおサルさんへの提言

  • 正しい会計処理は非常に困難であることを理解しましょう。
  • 自分もやっていて後ろめたいかもしれませんが、やっぱり悪いことをした人は刑務所にブチ込みましょう。

 おサルさんへの処方箋

 目標の数値を設定してもサルがゴマかしてしまうことについてどうしたら良いか対処方法が書かれています。 

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

 

 


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新国立競技場を批判する意見もムチャクチャ…サルは競技場をコンビニで買うのか?

 ここ2ヶ月くらい盛り上がっている新国立競技場の問題ですが、やっとこさ安倍さんがストップかけてくれましたね。ひとまずはメデタシメデタシということで・・・
でもこの新国立競技場問題はJSCや文部科学省の対応もグダグダでしたが批判する側の言っていることもムチャクチャで聞くに堪えないことばかりでした。

ザハが悪い?コンペで提案したんだから1300億円で責任を持って作れ?

 これってコンペの位置づけがわかっていないんですよね。安藤忠雄さんが記者会見のとき説明していたボードにも書かれていましたが、コンペで決めたのは「デザイン案」に過ぎません。競技場の「見た目のイメージ」だけです。ザハさんが1300億円もらって建設する契約をしたのなら責任がありますが、13億円でデザインの監修をする契約をしただけなので費用が膨らんだ責任をザハさんに求める根拠は何もないのです。

 サルはなぜこんなこともわからないのでしょう?多くのサルたちが買うものと言えば大量生産された工業製品をスーパーやコンビニで買うのがほとんどで、まだ形のないものを仕様を決めて契約して買うという経験が一生涯を通じてほとんどないのです。注文住宅を建てた経験があれば仕様を決めて契約して買うという行為がどんなにたいへんなことかがある程度わかるかもしれませんがそれにしても住宅は参考にする物件が多数あり難易度は競技場とは比較になりません。最近は建売住宅やマンションを購入する人が大半だと思うので注文住宅を購入した経験のある人でさえかなり少数でしょう。大半のサルは自動車を買うときに色を何色にするかとかアルミホイールにするかどうかを決めて注文したくらいがせいぜいでしょう。そんなサルには契約して競技場を作るときの責任がだれにあるのか理解しようがありませんよね。

安藤忠雄が悪い?審査の責任者で建築家だから1300億円でできないことわかっていただろう?

 安藤さんに責任がないのは上述したザハさんに責任がないのと同じなので詳細は省略します。じゃあ誰に責任があるのでしょうか?2014年5月に日本スポーツ振興センターは基本設計案として1625億円費用がかかると発表しています。この基本設計の費用見積はザハさんが2か月くらいでデザイン案を考えたり、安藤さんが数十ある提案の中なら良いデザインを選ぶのとはわけが違います。2012年12月にザハ案が選ばれてから1年半かけてどういう構造でどういう材料を使ってどういう工程で競技場を建設するかを検討しています。1年半かけて見積もったのだから正確な見積もりになっているはずですよね?ところが1年後の2015年5月には1000億増えてしまっていたのです。誰に責任があるかは明確ですよね?(安藤さんは基本設計にはかかわっていません)基本設計の段階で費用を正しく見積もれていたら1年前の段階で方針を変更できていたはずで今回のような切羽詰った状況にはならなかったものと思われます。

民主党が悪い?デザインのコンペは民主党政権のときだった?

 上述の通り今回の騒動の原因は基本設計で費用を正しく見積もれなかったことです。基本設計の期間は2012年12月~ 自民党が政権を取り戻してからの期間です。民主党のせいにするのは少し無理があります。

 もう一つムチャクチャな批判の一つに競技場の完成までを最初から契約しておけば良かったというものがあります。建設の工程のことを考えたらそんな契約がありえないことは誰でもわかることでしょう。詳細な設計をするまでには膨大な時間と工数がかかります。それを複数の業者に提案させてコンペすることが現実的でないことはわかると思います。もう一度繰り返しますが、競技場はスーパーやコンビニで買い物をするのとは違うのです。

森元総理が悪い?ラグビーワールドカップに間に合わせたいという意向がある?

 新国立競技場の設計を見直したほうが言いという話があがったときに、「ラグビーW杯に間に合わせたいという森さんの強い意向がありそれはできない。」という報道がありました。ところが一転5月17日にはあっさり計画変更容認発言が出ましたね。強い世論の影響を受けて方針を変更したのかもしれませんが、それまでも絶対計画を変えちゃダメという発言もなかったように記憶しています。なぜこのようなことになるのかというと取り巻きザルがボスザルの意向を必要以上に汲み取るという傾向があるためです。先日自民党の若手が「マスコミを懲らしめる」との発言がありましたがあれも取り巻きザルがボスザルの意向を必要以上に汲み取ってしまった悪い例ですね。でもボスザルも取り巻きザルが自分の考えを誤って理解していないかを正しく把握する必要はあるでしょうね。

今日のおサルさんへの提言

  • おサルさんは請負契約の仕組みも理解しましょう
  • 取り巻きザルがボスザルの意向を必要以上に汲み取るのはヤメましょう。ボスザルも取り巻きザルに意向を正確に伝えましょう。

 

 ―ー過去の記事

claude-lvs.hatenablog.com

 

 

 


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集団的自衛権がイジメを生んでいる…サルは強者の腰ぎんちゃく

 岩手県の中学2年生、村松亮君がいじめを訴えて自殺するという悲しい事件がありました。どうして村松亮君が自殺しなければならないことになったのか原因はまだまだ究明されている途中です。一方で安全保障関連法案が衆議院の特別委員会で可決されました。この2つのニュースを関連づけて考えている人はあまりいないとは思いますが、深く考えていくとこの2つの事件に共通して存在するサル本質が見えてきます。

サルは強い者に従って身を守る

 インターネットで「いじめから身を守る方法」を検索してみると「ナメられないような外見にする」とか「誰かに相談する」とか建前の答えがいくつか書かれています。しかしもっとも確実な方法は「スネ夫になる」ことです。ジャイアンの腰ぎんちゃくになってのび太をイジメている限りはスネ夫ジャイアンにイジメられることはないからです。多くのイジメの現場で子供たちはこの方法でイジメから逃れることを実践しています。村松亮君に関して報道されている内容を見るとスネ夫にはなれなかった村松亮君のやさしさが垣間見えてきます。

 このジャイアンスネ夫の関係を国と国の関係に応用したのが今自民党公明党が推し進めようとしている集団的自衛権です。日本(スネ夫)がアメリカ(ジャイアン)の腰ぎんちゃくになることでイジメのターゲットになることを避けることができます。しかし他国から攻撃されるリスクを減らす代償として、アメリカが他の弱い国をイジメるときにはスネ夫のようにジャイアン(アメリカ)の手助けをするという役割を担わなければなりません。アメリカは共産主義イスラム教などの悪い奴と戦うのだからイジメとは違うと考える人もいるかもしれません。でも自分の国が悪だと思う人などいません。共産主義イスラム教も彼らにとっては正義であり、彼らと戦うアメリカはのび太をイジメるジャイアンと何もかわらないのです。

 この集団的自衛権に賛同する人たちの根底にある「強い者に従えば自分を守ることができる」「自分を守るためなら他人は犠牲になってもかまわない」という考えこそがイジメを生んでいるです。

 安全保障関連法案は日本が中国や北朝鮮から攻められたときに国を守るために法律だと考えている人もいるようですがそんなことはありません。中国や北朝鮮から日本が攻撃を受けたときに対処する法律は従来からの法律「周辺事態法」と既存の日米安保条約で対処可能です。今回の安全保障関連法案はアメリカが他の国と日本周辺以外で戦争を始めたときにも日本がアメリカを手助けできるようにするためのものなのです。自民党公明党はそのことをはっきり説明せず、日本の国を守りたいだけという人たちをだましてアメリカの腰ぎんちゃく路線を推し進めようとしているのです。

公明党は強い自民党に従って身を守る

 創価学会公明党との関係についてはいまさら言及する必要もないでしょう。創価学会は戦後経済成長に伴って多くの労働者が地方を離れ都会に集中していった中で、
所属していた地方のコミュニティを失った弱者を物心両面で支えることで信者を増やし勢力を拡大していきました。元々は持たざる者の力を結集する宗教で、創価学会と関係の深い公明党も弱者を救う政策を推し進めていました。
 そんな公明党も長い歴史の中で既得権益を持つ側になってしまい、自分たちの身を守る側に移ってしまったのかもしれません。弱者を救い平和を守るはずの公明党自民党の腰ぎんちゃくになり安全保障関連法案を推し進めているのです。公明党は何を守っているのでしょうか?学生時代の友人にも何人か創価学会の信者がいます。みんな心の優しい良き友人たちです。彼らはこの安全保障関連法案に賛同しているのでしょうか?

サルは数字をごまかす

 村松亮君の自殺に関連してもう一つ見逃せないことがありました。学校は昨年度から村松亮君のイジメを把握していたにも関わらずいじめ認知件数をゼロとして教育委員会に報告していたということです。いじめの実態を調査し対策するためにイジメの件数をカウントしていたものが、いつのまにかその数を減らすことが目標となり現場の教師や教育委員会にとってはノルマになってしまったのでしょう。
 サルの社会では目標に設定された数値は正しく測定されないという現実があります。このいじめ認知数の隠蔽はその典型的な礼です。いじめ認知件数の隠蔽が岩手県矢巾町でだけ行われていると考えることはできないでしょう。日本のありとあらゆるところでこのような数字の操作は行われています。ときどき都道府県ごとのイジメの件数を伝えるニュースが伝えられることがあります。その記事に信憑性はあるのでしょうか?どこかの件数が多くてどこかの件数が少なくてもこんなうその報告を集計していたらその結果はなんの意味もない情報です。イジメが増えている報告があっても減っている報告があっても実態はどうなのかは誰にもわかりません。そして国の政策もその誤った数値に基づいて決定されるとしたら・・・

 今日のおサルさんへの提言

  • 自分の身を守るために他人を犠牲にするのはヤメましょう。
  • 目標として設定した数値を正しく測定することは困難なことを知りましょう。

 


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「法の支配」は安保関連法案を認めない―ボスザルの言うことには逆らえない

 安倍首相はG7サミットの記者会見で述べました。「私たちには共通のことばがある。自由、民主主義、基本的人権、そして法の支配。基本的な価値を共有していることが、私たちが結束する基礎となっている。」

「法の支配」は政府の暴走を法により抑えること

 安倍さんはここ数年「法の支配」という言葉をしばしば用います。そしてよくある指摘が安倍さんは「法の支配」という言葉を誤って理解していて、誤用しているというものです。
 安倍さんの思っている「法の支配」は「国家権力が法を使って国民を支配すること」
のようです。
 しかし欧米で育まれてきた「法の支配」の概念は「法は国家権力を超越した存在であり、国家権力は法に従わなければならない」
というもので、安倍さんの考えとは真逆のものだと言えるでしょう。


つまりG7サミットで「私たちには共通のことばがある」と言いましたが、「共通の言葉はあるけど、その意味は違っている」ということなのです。言葉の意味が違っているのに「結束する基礎」になることは可能なのでしょうか?

「法の支配」は安全保障関連法案を止めるもの

 6月4日の衆院憲法審査会で憲法学者3人全員が法案を「憲法違反」と発言したことにより安全保障関連法案の成立はかなり困難な状況になってきています。これこそが「法の支配」と言えるでしょう。

 しかしなんでこんな法案を国会に提出しようと思ったんでしょうね。確かに安倍さんは「法の支配」の意味もわかっていない残念な人ですが、自民党に内閣にももっと頭が良い人たちがたくさんいるはずです。谷垣幹事長や宮沢経産相、林農相などの頭のいい人たちは安倍さんが間違っていることをわかっていると思うんですよね。でもそのことを言ってあげることができない。ボスザルのいうことにはサルは逆らえないんですよね。

 でも、あまりにもお粗末な法案なので最近少し思うことがあります。安倍さんはどんなに権力を握っていても安全保障関連法案のような誤った政策を進めようとすれば
「法の支配」により止められてしまういうことを身をもって私たちに示してくれているとても良い人なのかもしれない。


今日のおサルさんへの提言

  • 法は政府が国民を支配するためのものではなく、政府の暴走を法により抑えること。
  • ボスザルの言うことでも間違っていることはおかしいと言ってあげましょう。

 


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アベノミクスでも小売業販売額伸びず…サルは数字でごまかされやすい

 5月28日経済産業省が商業動態統計速報を発表しました。日経のページを見ると「4月の小売販売額は前年比5.0%増 大型店は9.5%増」の見出しがあります。
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL26H9Q_W5A520C1000000/
本当かな?と思って詳しく見てみました。

何の意味もない数字を見出しにする不思議

 この記事の元になっているのは経済産業省の下記の発表です。
 http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/sokuho_1.html
国民のみんながちょっとググればわかるニュースソースを横流しする機能しかない新聞社がいまだに会社として存続しているのは不思議なところですが、紙媒体しかなかった時代に築いた信頼を切り売りしながらなんとか生き延びているのでしょう。ビジネスマンは日経読まなきゃダメとのことなので(笑)。ニュースソースを見ただけではわからない高尚な視点を私たちに与えてくれるからこそ日経には価値があるんですよねきっと・・・

 そんなことはさておき、数字を詳しく見ていきましょう。
 3月は前年比9.7%減だったのに4月は前年比5.0%増になっている。あれ? 一年前に何かあったっけ? あーあれだ!記憶力の乏しいおサルさんはもう忘れかけているかもしれませんが、消費税増税にともなって駆け込み需要による販売増とその反動の販売減があったのが去年の3月~4月でした。その去年の4月と比べて販売額を比べたら増えていて当たり前でしょ? 5.0%増えているって意味ある数字なの?

 ううーーん。きっと日経の読者のビジネスマンたちはそんなこと書かれなくてもわかっているから今年増えたことだけ書いてるんですよ。


2年前アベノミクス開始時から延びていない販売額

 去年との比較が意味ないことはわかったのですが今の販売額が良い数値なのか悪い数値なのか知りたくなりました。どうすれば良いのでしょうか? 去年との比較が意味がないなら一昨年の販売額と比較してみましょう。上記の経済産業省の資料を見ると去年の4月の販売額は前年比4.3%減と書かれています。

 一昨年からの増減は一昨年を100とすると
   100 × 0.957 × 1.050 = 100.5

2年かけて0.5%しか増えていません。ほとんど誤差の範囲内と言われてもいいくらいの数字です。アベノミクスの効果で最近日経平均株価が2万円を超えたとかで景気が良いんじゃなかったんでしたっけ?

 儲かった人がいるのに全体として景気が良くなっていない。儲かった人がいるだけ損をした人がいるってことですよね。今のままではアベノミクスは国民全体を豊かにする政策ではなくて特定の人たちだけを儲けさせる政策なのかもしれないですね。

(そもそも景気なんていう指標は人間の幸せにはあまり関連ないものなのでどうでも良いのですが、簡単には説明できないのでこの件については別途・・・)

 

数字を使って他人をだますサルの特徴

 サルは数字にだまされやすいので、数字で他人をだまそうとするサルも数多くいます。その一番の特徴は自分にとって都合のいい数字だけを強調することです。

今日のおサルさんへの提言

  • 日経だからといって信じちゃダメ。自分で数字をよく吟味しましょう。
  • 都合のいい数字だけを使って人をだますのはやめましょう。

 


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新国立競技場が建たないのはアベノミクスのせい…サルは誰が蒔いた種かわからない

 新国立競技場の計画で屋根が間に合わないとか、予定より建設費用が高騰しているとか報道されていますがこの問題についておかしなことを言うおサルさんがいるので取り上げてみます。

 

―― 関連記事

 

資材費が高騰して予定していた費用で建設できなくなった

 そもそも予定していた費用とはいくらだったのでしょうか?
 2013年にIOCに提出した立候補ファイルにその金額が記載されています。
 http://tokyo2020.jp/jp/plan/candidature/dl/tokyo2020_candidate_entire_1_jp.pdf

の 057ページを参照してください。1300億の設備投資をすると記載されています。国立競技場の投資金額を東京都が勝手に見積もるはずはないのでこの時点で政府は1300億円は投資しようと考えていたはずです。

 ただしこのときは1ドル88円で計算しています。(上記資料の 058ページ参照)
その後の円安で資材費が高騰して1300億で作れなくなったというのも理解できることです。でも良く考えてみてください。円安に誘導したのは誰あろう安倍政権自身なのです。「自分の政策で円安に誘導して、円安になったせいで資材費が高騰し新国立競技場が建てられなくなりました」そんな恥ずかしいこと言えないですよね?
 日本では「自分で蒔いた種」という言葉があります(英語由来のようですが)。安倍政権が仕掛けた円安なのでそれによって資材費が高騰したくらいは安倍政権に負担してもらいましょう。

今は1ドル120円くらいなので 1300億円×120÷88=1773億円 までは政府が負担するということでどうでしょう?(差額の473億分は円安で儲けた企業に負担してもらえばたいした額ではない)

 

2020年東京五輪は屋根なしで実施する

 屋根なしで開催することの是非については微妙な判断となりますがちょっとまずいでしょうね。

 IOCに提出した立候補ファイルに記載している内容をもう一度確認してみましょう。
http://tokyo2020.jp/jp/plan/candidature/dl/tokyo2020_candidate_entire_2_jp.pdf
093~094ページに「オリンピックスタジアム外観イメージ図」があります。
115ページに下記の記載があります。

国立霞ヶ丘競技場は、1964年大会のオリンピックスタジアムであ
り、テストイベントが行われる2019年までに最新鋭の競技場に生
まれ変わる予定である。2020年大会では、開・閉会式、陸上競
技、サッカー、ラグビーの会場となる。この8万人収容のスタジア
ムは日本スポーツ振興センターが所有し、ラグビー、サッカーの国
際試合や陸上競技の日本選手権など文化・スポーツ関連イベント
に使用される予定である。神宮エリア内に位置し、4大クラスタ
の一つとして「2020年の東京」をもとに誰もがスポーツを楽しめ
る社会づくりを目指す。

「最新鋭の競技場」で「8万人収容」であれば問題なさそうです。でも外観イメージ図を見るとどう見ても屋根がついています。これはあくまでもイメージ図なので必ずしもその形どおりでなくてもかまいませんが、日本で雨が多いことは世界的に知られていることであり、屋根着きの競技場であるかどうかは開催地を決める大きな判断材料になったと思われます。開催地決定のためにウソをついたと言われないためには屋根は必須でしょうね。

 屋根をつけるためには膨大な費用がかかるとのことですが、デザインに大きく手を入れてでも屋根をつけるべきでしょう。

今日のおサルさんへの提言

・自分で蒔いた種は自分で刈り取りましょう

・自分の提案を良く見せるためにウソをついたと思われないようにしましょう

おサルさんへの処方箋

 目の前の問題が様々な要素が関連して起きていることを学べば新国立競技場の問題がなせ起きているかを理解できます。ピーターM センゲの「学習する組織」を読んで「システム思考」について理解されることをお薦めします。

学習する組織――システム思考で未来を創造する

学習する組織――システム思考で未来を創造する

 

 

 

 


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